
NeoVimによるデータ削除事件—ユーザーケアの欠如を指摘
コンピュータ科学者 David Chisnall は、Vim のフォークである NeoVim がユーザーの永続的アンドゥファイルをアップグレードせずに削除し、データを喪失させた事例を報告した。NeoVim の開発者はこの形式が不安定だとしてデータ保護への責任を否定したが、Chisnall はこれを「ユーザーケアの概念の欠如」と批判している。
Chisnall は 2000 年頃から Vim を使用しており、5 冊の書籍、博士論文、数十編の論文、150 以上の記事を Vim で執筆してきた。「永続的なアンドゥは Vim の最も好きな機能の一つです」と述べている。
NeoVim での問題発生
NeoVim は Vim のアンドゥファイル形式を変更した。旧形式ファイルをアップグレードせず、新しい名称も使用せず、既存の Vim アンドゥファイルを検出して削除し、Vim が読めない新しいファイルで置き換えたという。Chisnall がこの問題を報告すると、NeoVim の開発者は「永続的アンドゥ形式は不安定であり、『永続的アンドゥ』という名称の機能でもデータ保護に依存すべきではない、かつ形式は以前変わったことがあり今後も変わる可能性がある」と応答したとされる。
Chisnall は「これをバグとして許すこともできたが、ファイルシステム上に存在し、ユーザーが必要とする可能性のあるデータが入っているファイルを削除しない理由にはならないという態度は、ユーザーに対するケアの概念を全く持たないことを示している」と述べた。
人道的なインターフェース設計の原則
Marcin Wichary は Chisnall の投稿にコメントし、Jef Raskin による 2000 年の著作『The Humane Interface』に記載された三つの人道的インターフェース設計の法則に言及した。Raskin は以下を提唱している:
- 「コンピュータはあなたの仕事に害をもたらしてはならず、また無作為によってあなたの仕事に害が及ぶことを許してはならない」
- 「コンピュータはあなたの時間を浪費してはならず、厳密に必要以上の作業をあなたに要求してはならない」
- 「インターフェースが人道的であるとは、人間のニーズに対応し、人間の弱点に思いやりを持つことである」
Raskin は Macintosh と Canon Cat に関連する人物である。対照的に、Vim は約 20 年にわたって複数の主要バージョンアップグレード間で永続的アンドゥの互換性を維持してきた。
筆者の見立て
- 永続的アンドゥの破損をバグとして許すことはできるが、ユーザーケアへの概念的欠如を示唆しているとして解釈している
- Raskin の第一法則がこれまで本媒体で取り上げられたことがないという見方を示している
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出典
Unsung『They had no concept of a duty of care to their users.』https://unsung.aresluna.org/they-had-no-concept-of-a-duty-of-care-to-their-users/