
医療機関と大学が医薬品の再利用を90%低コストで実施
King's College Londonの研究により、病院と大学は医薬品企業の報告コストの10%未満で後期臨床試験を実施していることが明らかになった。がん治療薬を失明治療に転用するなどの事例がある。
医療機関と大学が既存医薬品の再利用研究を大幅に進めていることが、King's College Londonが主導し Cambridge Law Journal に発表した研究で判明した。病院と大学が実施している後期臨床試験の資金規模は、製薬企業の報告コストの10%未満であり、より少ないリソースで同等の試験を遂行できていることを示している。
医薬品再利用の事例
研究で挙げられている具体的な再利用事例としては、がん治療薬を失明の主要原因である眼疾患の治療に転用したケース、乳がん治療薬を予防用途に変更したケース、および古い抗炎症薬を新型コロナウイルス治療に使用したケースなどがある。
イノベーション進展の障壁と低減
医薬品開発研究におけるイノベーション進展を妨げる三つの主要な障壁は専門知識、リスク、資本である。医薬品の再利用では、これらの障壁が低減される。専門知識に関しては、再利用対象の医薬品は既に十分に研究されており製造体制も確立しているため必要な専門知識が少なくて済む。リスクについては、組織の財務的生存が医薬品の承認と販売に依存していないため、リスク水準が大幅に低下する。
企業の関心喪失と汎用医薬品の活用
企業は医薬品ライフサイクルの初期段階で平均して年間32件の新たな医療用途について規制当局の承認を取得している。しかし汎用医薬品が市場に流通し始めると、競争激化により企業は医薬品の再利用への関心を失う。その結果、病院と大学は企業が関心を失った後、安価な汎用医薬品を研究に活用することができるようになる。
筆者の見立て
- この隠れた研究システムが社会に手頃な価格の治療法を定期的に提供する大きな可能性を持つと論じている。
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出典
King's College London「Hospitals and universities repurposing drugs at 90% lower cost」https://www.kcl.ac.uk/news/hospitals-and-universities-repurposing-drugs-at-90-lower-cost (Cambridge Law Journal の報道による)