
レノー、レアアースなし電動モーター技術の展開を加速
レノー・グループが、レアアースを使用しない電動モーター「EESM」技術の戦略的重要性を詳述し、2027年に次世代モーター「E7A」の投入を予定している。
レノー・グループは、電動モーター市場で差別化を進めている。電動車の約90%がレアアースを含む永久磁石モーターを採用する中、同社は2012年からEESM(電気励磁同期モーター)技術による量産を開始した。EESM技術は磁石とレアアースを使用せず、高い効率性を実現する。
EESM技術の歴史と現在のラインアップ
レノー・グループの電動モーター開発は、2011年の「ルノー・カンゴーZ.E」および2012年の「ルノー・ゾエ」に搭載された初代5A型(57~100 kW)にさかのぼる。2020年には最終進化版の5AL型(60 kW)が「トゥインゴ・エレクトリック」に搭載された。
2021年に第二世代EESM「6A」シリーズが生産開始され、2022年初めには「ルノー・メガーヌE-Tech エレクトリック」が初代6AM型(最高出力160 kW)を搭載した。現在、ルノーのラインアップは主に6AK型(110 kW)搭載の「ルノー5 E-Tech エレクトリック」(2024年10月発表、2025年カー・オブ・ザ・イヤー受賞)と「ルノー4 E-Tech エレクトリック」(2025年3月から受注開始)で構成されている。また「ルノー・シニック E-Tech エレクトリック」は2024年のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

アルピーヌA390の革新的パワートレーン
アルピーヌは2025年9月、新型電動スポーツカー「A390」を披露した。A390は、フロント軸に6AM型モーターを、リア軸に新しいデュアルモーター構成を備える。同社は「完全に革新的なパワートレーン」とされており、3つのモーターの推定合計出力は約345 kW(約470馬力)である。Cléon工場で製造されるこれら全モーターは、レノー・グループの電動化戦略の核となっている。
次世代E7Aモーターの仕様と戦略
レノー・グループの技術者は2021年から第三世代EESM「E7A」の開発に着手している。E7Aは200 kW(約270馬力)の出力と400 Nmのトルクを備え、2027年からCléon工場で生産される予定である。
E7Aは前世代比で30%のサイズ削減と30%のカーボンフットプリント削減を実現し、効率性は約92%に達する。また、現在のルノー車の標準である400ボルトシステムから800ボルトシステムへの移行により、さらなる性能向上が期待される。

レアアース依存回避の戦略的必要性
レアアース調達における地政学的リスクが、レノー・グループのEESM技術開発の根底にある。中国は世界で精製される軽レアアースの85%、重レアアースの100%、および世界的なレアアース生産量の90%以上を占めている。同時に、中国は世界有数の電動車生産国である。
レノー・グループが巻線ロータ方式を採用し永久磁石を避けることで、レアアース生産国への依存回避という戦略的課題に対応している。
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出典
Renault Group『All about electric motors with no rare earths』https://www.renaultgroup.com/en/magazine/energy-and-powertrains/all-about-electric-motors-with-no-rare-earths/